「なんだ、この回答は…!」
テストの答案を見て、思わず目を疑ったことがある親御さん、多いのではないでしょうか。
わが家でも日常的にこういったことは起きていますが、
特に気になったのが、小3の息子の国語の答案。
普段は本をよく読む子なので、国語は安心していたのですが、
返ってきたテストを見ると、設問の意図をまったく理解していないような回答がちらほら…。
「本は読んでいるのに、文章を読めていない?」
そんなショックな気づきから、我が家の“読解力改革”が始まりました。
“読める”のに“分からない”──息子の読解力に潜む意外な課題

息子と一緒に、国語のテストの見直しをしていたときのこと。
「あれ?なんでこの問題を間違えたんだろう?」
一緒に確認していくうちに、あることに気がつきました。
- 文章は速く読めるが、物語の情景が頭に浮かんでいない。
- 「あれ」や「それ」と書かれているものが、どれを指すのか分かっていない。
この2つに共通している原因は、文章を読むスピードが速すぎるのです。
そのため、文章のおおまかな流れは理解できていても、
細かい部分を聞かれたら、それがどこに書かれているのか分からない。

そして読んだ後に感想を聞いても、返ってくるのは一言だけの“うすい”反応。
思い返してみると、
算数の文章題で間違えたところを一緒に解いてみても
「この問題の意味がわからないから、解けなかったんだよね」と言っていることが
よくあるんです!!
これは一大事です。
文章の内容がわからなければ、自分の言葉で語る力も育ちません!!
ネットで検索しても「読解力を鍛える方法」はふわっとした情報ばかり。
とりあえず、ヒントを探しに書店へ。
学習の基礎を作る? 子どもの読解力を伸ばす、「奇跡のドリル」とは

書店で国語ドリルを探していたとき、ひときわ目を引くタイトルがありました。
それが、国語読解力「奇跡のドリル」。
対象年齢は小学校1・2年生。
これなら小3の息子と年長の娘によさそうだと思い、手に取りました。
ドリルの後ろには、こう書かれています。
国語の力は「学ぶ背骨」
この一文に背中を押され、購入を決めました。お値段は税込で880円です。
「奇跡のドリル」って、どんな教材?
- あの名門!灘校の国語教師、故・橋本武先生の授業を再現したドリル
- 著者は明治大学の伊藤氏貴教授
- 1つの文学作品を3回繰り返し、読むたびに問いが深まる構成

「奇跡のドリル」本当に効果ある?実際に試してわかったこと

夜寝る前にベッドに寝転がりながらドリルを一緒にやってみることにしました。
「勉強」ではなく「お楽しみタイム」としてやっていたのがよかったのか、
息子も娘も毎晩ドリルを楽しんでいました。
ドリルの内容は?
ドリルで扱われている文章は、新美南吉 著の「手袋を買いに」です。
文章は、1ページごとに短く区切られているので読みやすいですし、内容も子どもが好きな内容なので
子どもたちも楽しんでいました。

ドリルの構成や日数は?

このドリルは、全部で3つのレベルに分かれています。
- レベル1:17ページ(音読、大意の把握、語彙の確認)
- レベル2:8ページ(細部の理解、論理的読解)
- レベル3:8ページ(論理の把握、記憶、想像、発展的知識)
物語「手袋を買いに」を、それぞれのレベルで読む構成になっており、
ドリルを最後まで終えると、自然と同じ物語を3回繰り返して読むことができます。
1日1ページずつ進めると、だいたい1ヶ月ほどで終了。
わが家ではレベル1がやさしかったので、1日2ページ進めることもありました。
ドリルの進め方は?

我が家のドリルの進め方は毎晩、寝る前にベッドに寝転がりながら20分くらいかけて進めました。
- 一緒に文章を読む
- 設問を読んで、それぞれの答えを言っていく ※それぞれの答えをドリルに書き込むのは、わたしが行いました。
- それぞれの答えにお互い短い感想やリアクションをする。
- 最後まで終わったら、回答と解説を一緒に読む
解説のところには、親に向けたアドバイスが書いてあるので、親も勉強になります。
解説を読みながら、なるほどね〜。と感心することが多かったです。
読解力は年齢でも、本の量でもない?意外な発見!

設問の中には、漢字の問題(例えば、ひかりを漢字で書いてみよう。)がありましたが、
それ以外は年長の娘もしっかり参加できていました。
そして、ドリルを進める中で気がついたのが
年長の娘のほうが、問われている内容に合った回答をする場面が多かったのです。
ということは、読解力って年齢でもなく、本を読んだ量で左右されることは少ないのでは?
逆に考えれば、文章を深く広く理解するちからは、いつでも習得できるのかもしれない!
ドリルを進める上での注意点

このドリルを進めるとき、なるべく日を空けずに行うことをオススメします。
なぜなら、設問の中には前のページで読んだ文章を覚えていないと答えられない問題があるからです。
記憶が新しいうちに進めたほうが、サクサク進むし、子どもの理解もはやいです。
我が家はお出かけで3日間くらい空けてしまったことがあり、忘れていることも多かったのでページを戻って再度取り組んだこともありました。
また、子どもたちが途中でふざけだして変な回答を連発することもありましたが。笑
なんとかドリルをやり切ることができました!
やってみてどうだった?読解力に変化はある?

効果としては、正直、今のところわかりません。
ただ、ドリルの設問はバリエーションが多く、1つの物語をいろんな角度から考えさせてくれます。
そのため「読む力」の土台を少しずつ育てている実感はあります。
読解力って、きっと短期決戦では育たない。
だからこそ、繰り返し丁寧に向き合うことが大切なんだと思いました。
現在、国語読解力「奇跡のドリル」は小学校1・2年生向けの他に3・4年生向けも発売されています。
1・2年生向けを終了したときに3・4年生向けも購入しましたが
難易度的に、まだ我が家の子どもたちには難しいように感じたので
もう一度、1・2年生版をやり直すことにしました!
同じ問題でも、2回目は取り組み方がスムーズで
「そうそう、ここで前もそんなこと言ってたよね。」なんて会話もしながら楽しく進めています。
親である私も、どこでつまずいているかを把握できているので
サポートしやすく、この「2周目学習」は我が家では定番になりつつあります。

読解力を育てたい人には、絶対オススメのドリル!
読解力は、急に身につくものではなく、日々の積み重ね。
でも、「どう取り組めばいいか」がわかるだけで、家庭でも楽しく続けられることに気づきました。
そして、ドリルの裏表紙に書かれている、伊藤氏貴教授のことばがとても励みになります。
お子さんの回答(解答ではありません)を聞いてあげてください。
そして、それに感想を返してあげてください。
中略
お子さんは自分の回答に関するなんらかのレスポンスを待っています。
言葉は、他人の反応によって磨かれてくるのです。
「奇跡のドリル」は、親子で対話しながら学べる、心の通ったドリルです。
読解力に悩んでいるご家庭に、ぜひ一度手に取ってもらいたい1冊です。

